ソロ登山にはとてもたくさんの魅力が詰まっています。
静かに一人で山と向き合い、敏感に自然を感じることができたり、一から十まですべてを自分で調べ、計画していくので頂上に立った時、特別な達成感や充実感を得ることができます。
ほかにも一人一人に独特の楽しみや魅力がある・・・そんなソロでの山歩きですが、単独行動であるがゆえに危険を回避するための準備、リスクヘッジをしっかりと行っていく必要があります。
そこでこの記事では、初心者向けに、ソロの登山を始めていくために必要な考え方や、遭難、怪我を想定した装備・準備についてご紹介していきたいと思います。
ちなみに、登山の基本的な装備について知りたい方はこちらの記事も合わせてご確認ください。
ソロ(一人)だからこそ最大限安全に配慮しよう
事前情報をしっかりと調べる
これはもちろん単独行でも絶対に必要なことですが、ソロであればより一層重要になってきます。具体的には・・・
・当日の天候・気温
・当日のルートの状況(積雪や川の増水など)
・避難小屋の有無
・エスケープルートの確認
・ルートの所要時間
・水場の確認
・熊、猪などの出没情報
などが最低限あげられるかと思います。
これらの情報はヤマテンなどのインターネット天気予報のサイトや行く予定の山域にある山小屋のホームページ、山と高原地図や地形図などで調べることが可能かと思います。
当日や前日の状況については、山小屋に直接電話して聞いてみるというのも確実でいいかと思います。
登山届を充実させる
登山届を出さないのはもってのほかですが、いつものように登山口や最寄り駅に置いてある備え付けの簡単な届け出用紙だけではなく、事前に詳しい登山届を個人で作成しておくことをオススメします。また、登る予定の山を管轄している県の県警のホームページで事前に登山届を提出しておくこともできる場合がありますので合わせて利用しましょう。
登山届には・・
山行予定日・自分の名前や住所、緊急連絡先・電話番号・予定のルート等の基本的な情報以外に
・より詳しい行動予定表、地図
・装備一覧(色の特徴などを明記したもの)
・食料や水の所持量
といった項目を記載しておくといいのではないかと思います。
家族・友人に登山工程を詳しく説明しておく
自分の家族や友人に行動予定を伝えておくことで、万が一遭難して予定の時刻に下山していない時や、連絡が途絶えてしまった時に、すぐに警察に情報を届けられるなど、迅速に対応してもらうことが可能になります。
救助活動の迅速さは人命にかかわってくる重要な要素ですので、万が一を想定して、たとえ低山だとしても必ず連絡をしておくようにしましょう。
無理のない登山工程を立てる
計画を立てるとき、自分の力を過信しすぎて無理な工程を立てないようにしましょう。、コースタイムだけでなく、ルートの難易度や装備の重量なども考慮したうえで、無理のない登山計画にすることが大切です。
無理をした計画にすると後半疲れ果てて歩くことになり、そういった集中力を欠いた状態では当然事故も起こりやすくなります。登山中の事故はほとんどが下りで起きているという話もあるぐらいなので、全体に余裕をもって行動できるようにしましょう。
実際に無理をしない(諦める覚悟)
登山計画をしっかり立てたうえで、「当日体調が優れない」であったり、「予定よりかなり遅れてしまっている」となることもあるかと思います。こんな時、多分大丈夫だろうと無理をしすぎることはとても危険です。エスケープルートがある場合や登山口にまだ近いときは下山を考えましょう。または山小屋や避難小屋を利用するなどして、手遅れになる前に諦める覚悟ももって山登りを楽しみましょう。
遭難時の対処法を勉強しておく
本やネットで調べたり、プロの開催する遭難時の対策セミナーに参加するなど、万が一遭難した際に、冷静に適切な対処をできるよう知識を蓄えておくことも重要な準備の一つといえます。
遭難や怪我を想定した装備を準備する
耐熱シート・ツェルトの用意
万が一の遭難を想定して、ビバーク(野宿)のための装備を準備しておきましょう。
コンパクトに折りたたんでおける耐熱シートやツェルトは必ずザックの底に忍ばせておくと安心です。
ある登山者が遭難したが、ツェルトで簡易テントを作って一晩を無事に過ごすことができたが、そこからすぐ近くのところでツェルトなどがなくそのまま野宿した登山者が亡くなっていたなんていう恐ろしい話もあるくらいです。たった布一、されど布一枚です。
救急セットの充実
これも当たり前のことですが、あらためて再確認してください。
緊急時に必要な薬や医療品を充実させておきましょう。
以外に持ってない人がいたりしますが、登山中に捻挫をしたことを想定して固定用のテーピング等を持っておくことも重要です。
装備の点検をし、へっドライトの電池の予備などを用意
身の安全を守ってくれる装備達もあくまで消耗品です。常に正常に機能してくれるように定期的に点検をしてあげましょう。ヘッドライトの電池や靴ひも、ライターなど、必要に応じて予備を準備しておくことも忘れないでくださいね。
僕の聞いた話ですが、剣岳の頂上で靴の靴底がはがれてしまった登山者の話を聞いたことがあります。もちろん予測不可能な部分もありますが、できる限りの対策をしておきましょう。
遭難を想定した水分・食料を用意
ソロの場合、遭難しても食料のシェアということも出来ません。荷物がかさばりすぎず、重くなりすぎない程度に調整して、予備の食料や水を準備しておきましょう。特に飴やチョコレートなど高カロリーかつ荷物にならないものは多めに持っておいても損はないです。
常に首からホイッスルをかけておこう
この方法は個人的にすごくオススメですが、実際にやっている人はあまり見かけないのでぜひ実践してみてください。ホイッスルは定期的に吹くことで熊などの動物除けにもなりますし、万が一滑落したときや身動きがとれなくなった時でも、離れたところにいる登山者に自分の居場所を知らせて助けを呼ぶことができます。
ちなみに、クマよけにホイッスルを吹くときは、緊急のSOSだと思われないようリズミカルに吹くようにしましょう。
ソロ登山を楽しむために万全の準備を
もちろんこれだけの対策をしたうえでなにも起こらずに無事下山できることが何よりです。しかし仮に登山上級者だとしても、不測の事態に巻き込まれてしまうことはありえない話ではありません。
そんな時、事前に十分対策をとっておけば状況を打開することができるかもしれません。
ソロ登山ではとくに入念に準備をして登山に備えていきましょう。
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