フリースは非常に使い勝手がいいミドルレイヤーや保温着ですが、特に使用をおすすめしたいのが気温の低い冬山の行動中です。とりわけ2000m以下の低山ハイクでは大活躍します。
フリースの特徴を、他のミドルレイヤーとの着心地の比較などもしながら解説していきます。
フリースの特徴
フリースは登山中のミドルレイヤーとして用いられることが多く、夏山などでも休憩中の保温着として活躍するなど1年を通してザックに忍ばせておきたい登山アイテムの一つです。
フリースの主な特徴としては、化学繊維やウールといった素材から出来ており、柔軟性と保温性に優れています。保温性を保ちながらも通気性が非常にいいという点も大きな特徴です。そのため、防水機能はほとんどないモデルが多いです。
厚さ・保温性によって様々なモデルが展開されています。
なぜ冬山の行動中に最適なのか？
フリースが行動着として優れている点は、ズバリ「通気性の良さ」です。
登山中に最も大切なことは・・
「できるだけ汗をかかないこと」
汗を大量に描いて、それが急激に冷やされると、気化熱により体温が急激に下がることになり大変危険です。
冬山行動中は気温は低いものの、動いていればそれなりの発汗というものは起こります。その際にミドルレイヤーが通気性がそこそこのものを着ていると汗をため込みすぎてしまうことが多いです。
しかし、適切な厚さのフリースは、最低限の保温性を保ちながら通気性良く汗の水蒸気を服の外に排出し、さらに汗をかきすぎないぐらいにほどよく身体を下げてくれます。
もちろん、風が強くなってきたり、気温がさらに下がってきて体温が維持できないような時は状況に応じて素早くアウターレイヤーを羽織るなどして対応するようにしましょう。
ただ、山行中の多くの場面において、冬山の5℃～マイナス5℃くらいまでの気候であれば、多くの場面でフリースが程よい体温を保ち大活躍してくれると思います。
おすすめのフリースのタイプ
おすすめのフリースはだいたい中厚手くらいのもので、モデルによってはわきの下にベンチレーター（ジッパー式の通気穴）がついていたり、別のさらに通気性のいい素材になっているものがいいでしょう。
モンベルでいえば、「クリマプラス100」が大変おすすめしたい厚さのフリースになります。
体感温度はある程度個人差があるところでもあるので、あなたにあった最適な厚さを見つけてみてください。
ポイントとしては、歩き始めはかなりすずしく感じるくらいのものがいいかと思います。
ダウンやソフトシェルとの比較
ミドルレイヤーとして、ほかにダウンやソフトシェルなどを選択している人も多いですよね。
まず、ダウンは冬の寒いときなどわりと行動着として来ている登山者が多いですが、本来行動着というよりは保温着としての役割がメインの装備です。
フリースに比べ、軽量で、収納性も優れていますが、通気性に乏しく、濡れると保温力もがくっと落ちてしまうという特徴があります。もちろん強風だったりものすごく気温が低いような厳しい環境においては行動着としても活躍しますが、雪の少ない低山ハイクにはあまり向かないといえるでしょう。
次にソフトシェルですが、ハードシェルやレインウェア、ダウンに比べれば通気性はありますがやはり中厚くらいのフリースほどではありません。だだし、フリースよりも防風性・防水性は高いので、環境次第では大活躍してくれるウェアです。
もともと雨も降らず湿度の低い雪山のミドルレイヤーないしアウターレイヤーとして開発された装備なので、高山の雪山登山で行動着として採用するといいでしょう。
フリースはタウンユースにもおすすめ
登山ウェアは軒並みお金がかかるのがひとつのネックですよね。数万円からしてくるものも珍しくありません。
せっかく高いお金を出して買った服ですから、登山以外でも利用できたらお得感ありますよね(笑)。
もちろん、ダウンやソフトシェルもかっこいいデザインのものいろいろありますが、登山用のものとなるとカジュアルな私服とマッチさせるのは以外に難しかったりします。ですが、フリースであればやわらかくて着心地もいいですし、デザインも豊富なので、タウンユースとしても使い勝手の幅がひろがるモデルも多数展開されています。
フリースの特徴をふまえて「冬の低山ハイク」にフォーカスしておすすめポイントをご紹介してきました。
山での服装のレイヤリングはつねに登山者を悩ませるポイントのひとつです。今回ご紹介した内容とフリースを上手く活用して体を冷やさず快適に登山を楽しんでみてください。
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