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剣岳にテント泊で登ろう!剣沢キャンプ場からピストンアタック

登山

剣岳といえば、登山をする人にとっていつかは登りたい憧れの山ですよね!

僕も登山を始めたときからの夢の一つだったので、自分の力で頂上に立った時のあの感動は今でも忘れられません。

今回は、そんな憧れの山剣岳へ立山の室堂から入り、剣沢キャンプ場から別山尾根でアプローチするルートのご紹介をしていきます。

公共交通機関でのアクセスなのでその点も参考にしてくださいね♪

 

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剣岳は危険な山? 剣岳別山尾根の魅力!

剣岳は標高2,999mの山で、日本百名山にもなっている日本屈指の岩の殿堂です。

一般ルートは立山の室堂から別山乗越をへてアクセスする別山尾根。馬場島から駆け上る早月尾根があります。

それ以外にも、八ッ峰をはじめとする日本屈指のバリエーションルートが多数存在し、海外登山の訓練にも使われるほどの山です。

大迫力の大岩壁はもちろん、豊かな高山植物やオコジョや雷鳥といった野生動物を観察することもできる素晴らしい名峰です。

頂上からは360度のパノラマが広がり、鹿島槍ヶ岳、白馬三山、立山三山ごしに槍ヶ岳方面の展望も抜群です。

今回紹介する別山尾根は、剣岳登山の最も一般的なルートで、一般登山者でも剣沢キャンプ場や剣山荘から身軽にピストンでアタックすることができるルートです。

一般ルートながら高度感のある岩場、鎖場の連続で危険が伴い、ある程度の歩行技術を求められる難易度は高いと言えるでしょう。ほぼ垂直の壁を鎖で上り下りする「カニノタテバイ」「カニノヨコバイ」があることでも有名です。

 

安全な剣岳登山のためにヘルメットを用意しよう

無雪期の場合、基本装備はいつもの小屋迫登山またはテント泊登山を準備しましょう。

その他に、剣岳のような岩山を登る際は、落石や転倒・滑落から頭を守るために山岳用のヘルメットを着用するようにしましょう。落石は自分がどんなに気を付けていても避けられないもので、ほんの小さな石ころでも頭に直接当たれば大きなけがにつながる可能性があります。出来る限りの安全対策を施して登るようにしましょう。

 

室堂へのアクセス

今回は公共交通機関利用での登山ということで、深夜バスを利用して新宿から立山の玄関口「室堂」へアクセスしました。

新宿西口都庁大型バス駐車場から事前に予約しておいた室堂行きのバスに乗り込みました。

道中は約2時間おきにサービスエリア等に止まって10分ほどの休憩が入ります。

特別広い席というわけではなく、シーズン中であればほぼ満員での乗車になるのでソロで行くと隣は知らない人と肩をくっつけて眠ることになります。

リクライニングもあまり倒すわけにもいかないなかでの長時間の移動は正直楽ではないです。

深夜バスは寝ながらに早朝に着くことができるので、日々忙しい方にとってはスケジュールを節約できてとても便利ですがそれなりの覚悟は必要かもしれません。

 

1日目 室堂~別山乗越~剣沢キャンプ場

朝7:00に室堂に到着しました。バスターミナルには立派な建物があり、トイレや売店など充実しています。ここで登山届を提出することができるので出発前に提出しておきましょう。当日の山岳情報も手に入れることができます。

 

ターミナルを出て出発するといきなり立山三山が大迫力でその姿を現しました。

室堂から雷鳥沢のテント場までは、多少のアップダウンはあるものの基本平坦でよく整備された道を歩いていきます。

左手には200名山の奥大日岳がよく見えます。この奥大日岳は雷鳥沢からピストンで登ることができます。ピストンしない場合は、中大日岳をへて大日小屋に泊まるか、称名滝付近まで下るルートがあります。

 

途中のみくりが池では逆さに映りこんだ立山三山を見られるスポットもあります。この日は快晴で風もなかったので見事な「逆さ立山」をみることが出来ました。

 

みくりが池温泉の辺りまで来ると左手に「地獄谷」が見えてきます。

このあたりでは風向き等により地獄谷から湧き出る有毒ガスの濃度が高まることがあるので、ガス濃度や風向きを示す装置に気を配るようにしましょう。

 

地獄谷を過ぎて少しすると雷鳥沢キャンプ場に到着します。このキャンプ場は立山三山の足元にあるテント場で立山の眺めが最高です。さらに近くにある雷鳥沢ヒュッテやらいちょう温泉雷鳥荘のお風呂を利用することができる好立地のテント場です。今回は2泊目にここを利用します。

 

雷鳥沢からは別山乗越への急坂を一気に登っていきます。今回の山行の一番きついところは実はここでした。テントを背負って非常に急でゴロゴロとした足場の悪い道を登っていくのはなかなか大変です。

標準タイムで110分ほどですが、テント装備に慣れていないと時間がかかることも予想されますので注意しましょう。

 

頑張って別山乗越までくると、ついに剣岳が姿を現します。雪渓越しにその堂々たる姿はまさに岩の殿堂というにふさわしいです。これから下っていく沢もじつに豊かなカールを描いています。

 

別山乗越から剱沢キャンプ場までは比較的緩やかな下りですが、ゴロゴロとした石道なので浮石などには気を付けて歩きましょう。

 

余裕をもってお昼過ぎには剱沢キャンプ場に到着しました。

せっかくなので剣岳との間にほかのテントを挟まない場所にテントを張りました。

 

どうですか!この眺め!今までのテント泊のなかでもダントツで最高のロケーションが目の前に広がっています!

 

テント場に着いたら、剱沢野営管理署でテント受付(500円)を行います。

紙のタグのようなものをもらえますので、それを細引きなどテントの外から見て分かるところに括りつけておきましょう。

剱沢キャンプ場の水場は十分な水量ですが、飲む水として使用する際は煮沸消毒してから飲むことが推奨されています。

売店などはなく、なにかほしい場合は15分ほど下ったところにある剱澤小屋にいくしかありませんので必要なものをすべて持参する必要があります。

トイレは二か所あり、綺麗さはまぁ山のトイレといった感じです。そこまでひどくはありませんでした。

 

テント場の周りには可愛い高山植物もいろいろ咲いていました!

 

徐々に日が傾き、山肌のコントラストが強くなってきてかっこいいです…

 

日没直後ぐらいの写真です。とても幻想的な景色を見ることが出来ました。

 

次の日も早いので8時には就寝します。

 

 

2日目 剣沢キャンプ場~剣岳~剣沢キャンプ場~雷鳥沢キャンプ場

鎖場等での混雑が予想される剣岳登山。できるだけ混雑を避けるためにも朝の4:00に剱沢キャンプ場を出発しました。

 

まずは剣山荘まで下っていきます。途中雪渓があるので注意しましょう。夏山であればアイゼンは必要ないかと思います。

 

剣山荘は剣岳登山のまえの最後のトイレポイントです。

今後備え付けのトイレ等はなく、携帯トイレをしようするにもあまり隠れるような場所もない登山道で、途中にある避難小屋ぐらいしか機会がありませんので注意してください。

ヘルメットの貸出も行われているので、万が一ヘルメットを持参していないという場合は利用するのもいいでしょう。

 

山荘の裏手から、まずは一服剱へ向けて登りが始まります。石でガレたつづら折りの登山道を登っていきます。

まだあたりは暗いですが、東の空が赤く染まり、鹿島槍ヶ岳が美しいシルエットを見せてくれました。

 

簡単な鎖場を超えると一服剱に到着です。頂上からはまだ暗いからか禍々しくそびえたつ前剱が現れます。

 

武蔵のコルまで下り、そこから前剱に登り返します。この辺りはルートとなる岩にペンキが塗ってありますのでそれをたよりにルートファインディングしましょう。薄暗かったので道を外れそうで結構大変でした。

 

稜線にでる手前に長さ50mほどの3番鎖場があります。難しくはないですが、長いので浮石に注意しながら三点支持で着実に登っていきましょう。

簡単なトラバースの4番鎖場を通過すると前剱に到着です。振り返ると立山方面がよく見えます。

 

前剱からは登りと下山のコースが分かれます。

最初に高度感を感じる箇所である4mほどの鉄橋渡りトラバースの5番鎖場に差し掛かります。鉄橋は手すりがなく、左右は切れ落ちていて落ちたらやばいです。5番鎖場も20mほどありますが、慎重に三点支持で行きましょう。

 

平蔵の頭をへて7番鎖場に差し掛かります。高度感のある下りの鎖場ですが焦らず怖がらず、足場としっかりと目視して慎重におりましょう。

自分が通った際は少し渋滞が発生していたのですが、こういった際は前後の登山者との間隔を詰めすぎないように気を付けるようにしましょう。

この後少し高度感のあるトラバースをへて8番鎖場を登りすこしトラバースすると平蔵のコルに到着します。

 

はい、ついにきました「カニノタテバイ」

剣岳最大の核心部の一つです。約30mのほぼ垂直の岩壁を登る9番鎖場です。

ここはハイシーズンの午前中などは渋滞が発生することもしばしばだそうですが、早朝発が功を奏し、ほぼ並ばずに登ることができました。

恐怖を振り払って鎖を頼り過ぎずに三点支持で着実に登りましょう。

 

カニノタテバイを登りきったところです。

 

ちょうど今登っている登山者の岩壁の角度を考えると恐ろしいルートですね・・・笑

 

タテバイを抜ければ、あとは比較的簡単な岩場を抜けてしばらく進むと頂上到着です。

あいにくすこし雲が出てきてしまいましたが、頂上からは360度の大パノラマを楽しむことができました。立山三山越しに槍ヶ岳や穂高岳。後立山連峰のながめもいいです。

 

少し休憩したら下山です。下山を開始してすぐに下山最大の難所「カニノヨコバイ」にさしかかります。

カニノヨコバイは高度感のある岩場のトラバースで、取り付きの一歩目が上からだと見えません。なので、取り付けてある鎖に結城をもってしっかりと体重をあずけ、岩壁から身体を話して一歩目の足場を目視するようにします。一歩目がとれてしまえばあとはそれほど大変ではありません。

ヨコバイが終わってからもすこし鎖のトラバースがあり、そのつぎは鉄の梯子をほぼ垂直に降りることになります。この梯子が地味に高度感あって怖いのですが、焦らずに降りれば問題ない箇所です。

 

その後は高度感のあまりない短めの鎖場をいくつも経由して前剱まで下ってきます。ここからは下山ルートと登山ルートが一緒になりますので、来た道を戻っていくことになります。

前剱から下山していく道はガレている道が多いので、登ってくる登山者や先行者に注意して落石を起こさないよう注意して歩きましょう。

前剱からの区間が疲れも出てくることで滑落事故が多いそうなので、気を抜かず浮石に注意しましょう。

 

一服剱を超えると、登りの時は暗くてよくわかりませんでしたが、とても綺麗なお花畑が広がっていることに気づきました。

気持ちの良い天空のお花畑の道を剣山荘まで下っていきます。

 

剣山荘から剣沢キャンプ場に登り返します。このあたりも行きは真っ暗でなにも見えませんでしたが、なんと大好きなチングルマが綿毛にならず可愛い白い花びらを咲かせていました!

他の場所に生えているチングルマはどれもすでに綿毛になってしまっていたのですごく嬉しかったです!

 

剣沢キャンプ場まで戻ってきました。疲れました(笑)

でも今日の工程はまだ終わっていません。少し休憩したらテントを撤収して、昨日来た道を戻ります。

剣岳で疲れてしまったからか、別山乗越までの比較的なだらかな登山道もなかなか大変でした。

乗越から下り、1時半ごろには雷鳥沢キャンプ場に到着しました。

テントを設営して腹ごしらえをしたら、雷鳥沢ヒュッテにお風呂に入りに行きました。山でお風呂に入れるというのは本当に感動です。

 

 

夕焼け空と夕日ぐれに染まる立山のアーベントロートがとてもきれいでした。

二日目も無事終了。剣岳の山頂に立ったという最高の達成感を得られた一日でした。

 

当初の予定では、3日目に立山三山を歩く予定だったのですが、夜から天気が荒れ始めてしまったので、次の日は予定を変更して早朝に撤収することにしました。

 

行きはバスアクセスでしたが、帰りはあえて立山黒部アルペンルートを使って、黒部ダムを経由して帰るルートを選択しました。

トロリーバスやロープウェイでまったりと下り、黒部ダムの圧倒的な迫力を体感して今回の旅は終了となりました。

 

 

 

いかがだったでしょうか?今回は車をつかわずに室堂にアクセスする方法や、剣岳登山のイメージは伝わったでしょうか?

剣岳は決して登るのが簡単な山ではありませんが、山頂に立ったときの達成感は今までのどの山よりも大きいものでした。あなたも登山しているならぜひ一度は剣岳登山に挑戦してみてください!

 

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